千葉県旭市のメガネ・補聴器専門店 共文堂の1級眼鏡作製技能士と認定補聴器技能者の二刀流店主の宇野です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
メガネが壊れても、修理ができる場合があります。
今回、メタルフレームのレンズ止めのネジが折れてしまったフレームを店舗にて修理をしましたので、その過程をご紹介いたします。
メタルフレームのネジが折れてレンズが脱落して困った。
メガネのレンズを止めるネジが折れてレンズが脱落してしまったお客様がご来店。
ネジがかなり錆びて折れていたので、使用状況をお聞きしたところ、まったく洗っていないとのことです。
ご購入されてから、約5年6か月ご使用いただいていました。
また、メガネは必需品、予備のメガネをお持ちいただくことをお勧めしています。こちらのお客様、ちょっと度数は合っていませんが、このメガネをおつくりする前のメガネを掛けてご来店されました。
メガネを大事にお使いいただくためには、毎日のお掃除が肝心です。(ブログの最後に、お手入れの方法のブログ記事をリンクしておきますので、合わせてご覧ください。)
↑まずは洗って、ある程度の汚れを落とします。確認すると、フレームのリムのレンズ止めのネジが途中から折れてしまっています。
フレームは、チタン製なので錆びてはいません。
↑折れたネジの頭と、反対側のネジです。折れていない反対側のネジもネジ山に錆がびっしりと付いています。
周囲の粉上のものは、外すときに落ちた錆の粉です。
ネジは、ステンレス製ですが、それでも錆びてしまいます。
ネジ抜き器で錆びたネジを抜きます。
店頭で修理するための、「ネジ抜き器」という修理道具があります。
↑ネジ抜き器のピン(抜き棒)を折れたネジのところの穴に差し込んで、圧力をかけて押し出して抜いていきます。
↑うまく抜けました。今回はネジの錆が多く、ネジそのものが脆くなっていましたので、比較的簡単に抜けました。
ネジが固い状態だと、抜くのも大変で、抜き棒が折れる時もあります。場合によっては、修理センターに送らないといけないこともあります。
タップという工具でメガネフレームのネジ山を切り直します。
ネジを押し込んで抜くので、フレーム側のネジ山がつぶれてしまいます。そこで改めてタップという工具でネジ山を切り直します。
↑ネジ切りタップです。1.4ミリ径です。メガネのネジの径は、その他に1.7ミリ、1.2ミリ、1.0ミリがあります。
レンズ止めや丁番のネジは、ほとんどが1.4ミリを使います。
↑タップで新しくネジ山を切り直します。タップの先端に、まだ残っている錆や、切った金属粉が付いています。
新しいネジをつけてメガネのネジ折れの修理が完成しました。
↑新しいネジをつけてネジ折れ修理の完成です。
抜くときにネジ穴が広がり過ぎて空回りする場合は、1.7ミリ径のタップを切り直したり、ナットで締め直したりする場合もあります。
最後にまだ残っている汚れをきれいにしてレンズを組み入れてお渡しします。
その他の修理は、こちら↓をご覧ください。
メガネのお手入れは、メガネのシャンプーや中性洗剤を使って水洗いが一番!
鼈甲や多孔質のサンゴなど使用の一部のメガネを除き、ほとんどのメガネのお手入れは、メガネのシャンプーや中性洗剤を使っての水洗いが一番です。
また、お店にご持参いただくと超音波の洗浄機を使ってさらにきれいに仕上げます。是非、メガネのプロにお任せください!
ご自宅でのお掃除方法は、下記のブログ記事の画像をクリックしてお読みください。