千葉県旭市のメガネ・補聴器専門店 共文堂の店主の宇野です。
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メガネが壊れても、修理ができる場合があります。
今回、アセテート素材のプラスチックフレームのリム切れの修理を店舗にて修理をしましたので、その過程をご紹介いたします。
大事にしていた999.9(フォーナインズ)のメガネが壊れても修理ができる?
お嬢様からプレゼントされ、愛用していたプラスチックフレームのメガネのリムが切れて壊れていましました。
長年お掛けいただいていたようで、レンズもフレームも、劣化しています。フレームは、表面が白く変色してきており、テンプルは一部ひび割れしています。
新しいメガネをおつくりいただきましたが、大事にされていたようなので、予備用として、お店での修理のご提案をいたしました。
メガネが壊れても接着剤は使用しないでください。
まずは、断面を溶かして接着します。ところが、また剥がれてしまいました。実は、ご自分で修理しようと接着剤を使用していたのです。事前の確認でわかっていたので、接着剤を剥がしてから付けたのですが、細かな溝に入ってしまった接着剤が剥がしきれなかったようで、素材のアセテートが十分に溶解しませんでした。
この修理に限らず、メガネが壊れても、決して接着剤は使用しないでください。
大がかりな修理になってしまいました。
今度は断面をルーターで削り、接着剤を慎重に取り除きます。あまり削り過ぎると断面どうしがきちんと合わずきれいに付きません。
強度を出すため、パッドとリムの間に隙間があったのでここにも溶かした樹脂を盛ります。
リムの内側に透明な樹脂の補強材を張り付け、削ります。
更に強度を出すため、補強材を貼り付けます。補強材をリムの鼻側の側面のカーブに合わせてから、溶かして貼り付けるのですが、一部、気泡が入ってしまいました。お店での修理の限界でもあります。
実は、もう少し厚い樹脂の板で、艶があったのですが、肝心の写真を撮り忘れました。
貼り付けた後、補強材が、正面から見えにくいように斜めに削ります。
表面を仕上げて、レンズを組み込み完成です。
通常は、バフをかけてフレームに艶を出すのですが、フレームの劣化が進んで全体的に艶消し状態になっていますので、なるべく残りの箇所に近づけるように仕上げます。
メガネが壊れてもあきらめないで!
今回は、フレームの経年劣化がありましたので、予備用として、お店で修理をいたしましたが、当店が加盟しているサンクス・オプティカル・グループでは、メガネの産地、鯖江にメンテナンスセンターがございます。店頭では限界がある修理でも、メガネ修理のプロであるメンテナンスセンターでは、様々な修理ができます。愛着のメガネが壊れてしまっても、あきらめずにお持ち下さい。(他店でご購入のフレームの修理も承ります。)
その他の修理は、こちら↓をご覧ください。